2017.09.06(水) No.56 から

有った事を無かった事にはできない/都労委審問 橋場さん、是村さんが証言

 710()1330分から、東京都労働委員会で橋場さんと全印総連・是村委員長に対する主尋問と反対尋問が、支援の傍聴者52人が見守るなか行われました。

 

 これはDNP争議解決の為、100%親会社である大日本印刷に対し「団体交渉」を求め都労委に申し立てているなか、当事者双方の書面の提出・調査が重ねられ、実現したもの。

 

 冒頭、傍聴者も全員起立するなか、橋場さんと是村さんが「嘘偽りを述べず真実を述べる」ことを宣誓し、開始しました。

 

<橋場さんへの主尋問>(45分間)

 

 最初に申立人・笹山代理人が橋場さんに対し、DNPファインエレクトロニクス(大日本印刷久喜工場)で働いた「期間」「労働時間」「就業実態」「日常作業の指揮命令者」「班体制構成者の雇用形態」「ゴム印つきボールペンの配付」「橋場さん自身の所属」「班替え」「臨時出勤」「有給休暇取得のルール」「解雇理由」「偽装請負・中間搾取」など違法行為の事実を確認。「さいたま労働局の是正指導」「ファイン社社長の大日本印刷での役職」「ユニデバイス社の性格」等について、証拠書類も示しながら尋問。

 

<橋場さんの証言>

 

 これに対し橋場さんは「20052月に日本ユニデバイスに入社、即日DNPファインエレクトロニクス(大日本印刷久喜工場)で請負契約の労働者として、112時間、DNPファインの指揮命令で携帯電話などの部品製造に従事し、20091月に突然、事業不振を理由に解雇されましたが、4年間働きました。」「当時、東芝からの人、ファインの正社員、私も含むユニデバイス社員、その他一時雇用の人間がA班、B班、C班というように班体制で渾然一体としてライン作業についていました。」「職場には作業配置板が設置されており、ファイン正社員のサークル長がその日ごとに誰がどの作業を担当するのか作業配置欄に一人ひとり名札を当てはめ、その当てはめに従って皆が就業していました。」「甲26号証(作業担当一覧)にあるように雇用身分が異なる人間が混在して作業していました。」「作業担当にそれぞれ拘束された規則性はありません。但し品質確保のためには作業スキルのバランス確保が必要で、当日の勤務者のスキルに基づいて作業配置されるようになっていました。」「ゴム印つきのボールペンは全作業者に配付され、製造指示書やバンプ工程貫通作業引継ぎ表などに作業者それぞれがゴム印を押印するためです。私自身はバンプB班に所属し貫通工程で従事していましたが、ファイン正社員のサークル長が若い人だったため作業上のこと報告事項、職場の親睦などのサポートも心掛けるようにしていました。」「勤務シフトは42休(日勤8302030、夜勤2030830)の繰り返しです。」「班ごとのシフト交代制ですので、班替えがあると勤務シフトが違ってきます。間違えて出勤したり休んでしまったりというミスも起きたことから、サークル長から朝礼などで班替え時には注意がありました。私自身は56回の班替えを経験しました。」「臨時出勤はサークル長から指揮命令がありました。」「有給休暇の申請は、ファインの確認は済んでいるかと必ず確かめられましたので、先ずサークル長に相談したうえで休暇申請書類を提出しました。休暇申請がファイン社員とバッティングした時はファイン社員の申請を優先したと思います。」「東京高裁の判決については、さいたま労働局の偽装請負是正指導票の交付と関連3社の是正報告答弁書提出の事実、さいたま地裁の職安法44条違反、労働基準法6条違反の認定判決から考えると、高裁判決は法違反の事実を免罪する不合理な判断であったと思っています。」「ファイン社、ユニデバイス社の関係は、労働審判時に明らかになりましたが、ユニデバイス社は大日本印刷への“専ら派遣”のための企業だったということです。」「解雇理由は受注量が減少したことが原因となっていますが、私たちに会社側が解雇を回避するための処置を取った事はありません。」「当時歴代のファイン社の経営者は大日本印刷本社の経営役員を兼任していました。中川社長は取締役、永野社長は常務取締役だったと思います。」と証言。

 

<是村さんへの主尋問>(15分間)

 

 笹山代理人は、是村さんへの主尋問で「労働組合での役職」「橋場証人との関係」「大日本印刷に全印総連傘下の組合員が他にもいるか」「大日本印刷との団体交渉をしているか」「大日本印刷への当該争議解決のための当初要求と、今回要求議題を変えた理由」「労働委員会に求めること」などを尋問。

 

<是村さんの証言>

 

 是村さんは「私は、全印総連の中央執行委員長であり、東京地連と東京地連・情報印刷関連合同支部の委員長を兼任しています。」「橋場さんは情報印刷関連合同支部の組合員です。」「大日本印刷には全印総連傘下の組合員が居ります。大日本印刷との団体交渉は有給休暇の取得日数について不利益変更問題、賃上げ(時給額引き上げ)、一時金要求などで交渉をしています。」「大日本印刷への当初の要求は、社会的責任を果たして『DNPファイン解雇・偽装請負争議』の解決のため、当該子会社を指導すること、話し合いなどを求めていましたが『係争中』『雇用関係がない』などを理由に応じられないという回答でした。今回は8年に亘る争議の長期化で、橋場さんは、人生のなかで働き盛りの世代にあって、働く権利を侵害され、人道的にも争議の長期化はあってはならないと考え、大日本印刷には争議解決のために交渉・協議に応じることを求め団交を申し入れています。」「東京労働委員会におかれては、橋場さんの働き方が職安法44条、労基法6条に違反していた事実を重く受け止めて、大日本印刷グループの社会的責任からも交渉・協議に応じ争議解決のための努力することを命じることをお願いします。」と証言。

 

 

 被申立人(大日本印刷)側の反対尋問は、さいたま地裁労働審判の経緯、裁判(さいたま地裁、東京高裁、最高裁)で会社側の主張の通り決着済みという論旨で行われました。

 

<橋場さんへの反対尋問と証言>(20分間)

 

 尋問「2009年の労働審判でユニデバイスとの雇用関係は認められたのではないか?」

 

 証言「労働審判で出された審判にユニデバイス社が不服申し立てを行い、本訴になったのだと思います。」

 

 尋問「最高裁判決(20167月)前の間際の5月になって団交申し入れ書が送られているが、何故か?」

 

 証言「『係争中につき対応できない』との回答が続いたからです。」

 

 その他、申立人側が提出した甲105号証について尋問があり、橋場さんは真摯に答えていました。

 

<是村さんへの反対尋問と証言>(10分間)

 

 尋問「ユニデバイス社との雇用関係を求めていたことは承知していましたか?」

 

 証言「知っていました。」

 

 尋問「最高裁でも労使関係は無い、損害賠償責任などないと結論が出ている、国民は判決を尊重する義務があると思いますが?」

 

 証言「私たちは高裁、最高裁の判断決定は不当で、間違いであると考えてます。DNP関連3社は大日本印刷の一事業部門と位置付けており、関連会社の違法行為は大日本印刷に責任があります。争議解決の責任義務はあると思います。」

 

 尋問「団交申し入れの要求議題は当初、争議解決の指導を求めるものでしたね?」

 

 証言「ハイそうです。」

 

 尋問「自主交渉で『解決の見込みはないという判断はなかった』ということですか?」

 

 証言「ハイそうです。」

 

 

 反対尋問では「日常の指揮命令はファイン社から出されていた」「さまざまな雇用身分の労働者が班体制を構成し混在して就業していた」「さいたま労働局の行政処分などの事実経緯」について一切の反対尋問はありませんでした。

 

 次回の調査期日は96()1330分からとなりました。

 

 

 報告会では、笹山弁護士、井上弁護士などから、証人尋問で明らかにしたかったことや、会社側のスタンスについて、今後の動きなどについての発言がありました。

 最後に、橋場さんと是村さんから、傍聴支援へのお礼と、一層の支援の訴えがありました。橋場さんは「一つ二つ言いたりないこともあったが、さいたま労働局が久喜工場に臨検し、偽装請負の是正処分を為した客観的事実を、なかったことには出来ない。闘い抜く。」と、争議解決への決意を表明しました。

都労委・第5回調査

 都労委・第5回調査が39()午前10時より行われました。34人の傍聴支援がありました。ご参加ありがとうございました。

大日本印刷社前ロングラン宣伝

 大日本印刷社前ロングラン宣伝がMIC争議支援総行動の一環として、47()80組織280人が参加して行われました。

 

 例年の本社包囲デモとは異なり、本社ビル前でリレートークとシュプレヒコールによる長時間の宣伝を行うという新しい試みです。

 

 当日は雨が降り、風も強く、大日本印刷本社ビル前にも強烈なビル風が吹き付け、のぼり旗のポールが折れそうになる荒れた天気でしたが、多くの方々の参加で大きな成功となりました。

 

 MICの行動に先立ち、11時半から全印総連が宣伝。チラシを配りながらの宣伝と、歌声による支援をシンガーソングライターの橋本のぶよさんが行ってくれました。

 

 12時すぎからMIC争議支援総行動。主催者を代表して、MIC・小林基秀議長(新聞労連委員長)があいさつ。産別を代表して全印総連・是村委員長があいさつしました。

 

 その後、連帯のリレートークが行われ、全労連・野村幸裕副議長、MIC・岩崎貞明事務局長、東京地評・森田実議長など10組織から発言がありました。出版労連・小学館労組の川辺委員長は、仕事の上で、大日本印刷の営業マンがいかに自分を助けてくれているか紹介し「自分にとって大日本印刷はヒーローです」と讃えると共に、北島社長には、この争議に向き合って、しっかりと団体交渉に応じて解決をすることで「本当のヒーローになってほしい」と力強く訴えました。

 

 その後「大日本印刷は早期に争議解決をしろ」とシュプレヒコールを上げて要請団を送り出し、宣伝行動を終了しました。(S

 

 参加者の声:DNP新社屋の背の高いビルに増幅されて、時折強く吹きつける風と、それにまじる細かい雨粒。1130分からの全印総連の独自行動を含めると1時間半ほどの行動で身体はかなり冷えてしまいました。

 

 リーマンショック、年越し派遣村で明けた2009年早々、橋場さんは解雇されました。橋場さんの闘いは「規制緩和」された労働者の実態を告発してきたという意義を持っていると思います。

 行動で身体は冷えてしまいましたが、280名の人たちと同じ場所で行動し、心には熱いものが残りました。(I

第6回調査

 東京都労働委員会・第6回調査が426日(水)午後230分より行われました。傍聴支援には40人がかけつけました。

 

 次回は710()午後130分より第1回の審問となることが決まりました。橋場さんと全印総連・是村委員長の審問となります。

 

 都労委で申立人側は、橋場さん・是村さん・亀川部長(DNPファイン)の3人の証言が必要だと主張しました。しかし会社側は、裁判で決着しているから審問は不必要だと主張し、さしあたり2人の審問となりました。

 

 「調査」が終わった後の集会で、是村さんは「大日本印刷を交渉の場に着かせるため、引き続き運動を強め世論を高めよう」と訴え。弁護団を代表し笹山弁護士は「事前に申し入れた団交を拒否したことは不当だ」「会社側は『審問は不必要』としているが、時間をかけ行うことになる」と説明しました。

 最後に橋場さんから傍聴支援に対する御礼と、6月の大日本印刷株主総会宣伝への参加の訴えがありました。(E

全労連・東京地評争議支援総行動

 全労連・東京地評争議支援総行動が531()行われ、4コース・20企業に対し、争議の早期全面解決を求める抗議要請行動と、裁判所や労働委員会に対し公平な判断を求める要請が行われました。

 

 「DNPファイン解雇・偽装請負争議」では、午前中に東京都労働委員会に対して、公正な命令を求める要請を行い、1515分から大日本印刷本社前での抗議要請行動が行われました。

 

 行動では、主催者を代表して全労連・野村副議長、産別を代表して全印総連・是村委員長、地域を代表して新宿区労連・岡村事務局長があいさつ。JAL争議団の宝地戸さんが連帯のあいさつを行いました。

 

 最後に橋場さんが決意表明に立ち、長い争議を支えてくれている方々へ感謝の言葉を述べると共に、大日本印刷は争議解決のためのテーブルについてほしいと訴えました。

 その後、参加者は東京駅近くでの「明治争議支援」や、日比谷野音での「共謀罪反対集会」へと向かいました。(S

大日本印刷株主総会宣伝

 大日本印刷株主総会宣伝が629()915分から総会開始の10時まで行われ、株主総会参加者へ「DNPファイン解雇・偽装請負争議」の解決を訴える宣伝をおこないました。

 全労連やMICから52名の参加がありました。参加者のリレートークと共に、チラシを配布。株主から応援の声も頂きました。(H

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